マンションの価格は立地や築年数、管理状態などのさまざまな要素によって決められます。しかし、不動産には定価があるわけではないため、売り手の工夫次第では相場より高く売却することも決して不可能ではありません。
今回はマンションを高く売るために押さえておきたいポイントを5つに分けてご紹介します。
売却相談する不動産会社を探す
マンションを高く売るためには、適切な売り出し価格の設定が第一歩となります。実際の価格設定は、不動産会社の査定額にしたがって行うこととなりますが、あらかじめ自分で相場を把握しておくことも重要です。
なぜなら、不動産の査定額は会社ごとに異なるためです。どの不動産会社に仲介を依頼すべきか見極めるためにも、自分なりの相場感覚をつかめるようにしておきましょう。
自分でマンションの相場を調べる方法には、以下の種類があります。
国土交通省の「土地総合情報システム」には、過去に行われた不動産取引に関するデータが掲載されており、エリアや築年数、用途といったさまざまな条件から売却価格の実態を調べることができます。こうした価格を「実勢価格」と呼び、相場を調べるうえではとても重要な情報となるのです。
さらに、国土交通大臣の指定により不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」でも、過去に行われたマンションの取引事例を検索することができます。条件の似ている物件をいくつか選び出し、価格を比較することで、簡単に相場を把握できるのです。
また、不動産ポータルサイトのなかには、物件の参考価格を手軽に検索できる機能を備えているところもあります。たとえば、LIFULL
HOME'Sの「プライスマップ」では、マンション名や住所を入力するだけで、すぐに参考価格を調べることができます。
プライスマップでは、階数や専有面積、間取りなどをもとに「特定の一部屋」についても価格を算出することが可能です。そのため、階数によって価格差が生まれやすいタワーマンションなどでも、利用しやすい仕組みとなっています。
マンションを高く売るための2つ目のポイントは、売却期間に十分なゆとりを持つことです。不動産売買において、期間の余裕がないために希望価格よりも安く売らなければならない状況は「売り急ぎ」と呼ばれています。
そのため、引き渡しまでの期間をしっかりと逆算して、少なくとも販売開始から3ヶ月以上の期間をとれるようにしておきましょう。また、売り出しのスタートから売却活動に専念するためにも、必要書類を用意しておくなどの下準備を済ませることも大切です。
マンションを高く売るためには、不動産会社選びも重要なポイントとなります。信頼できる不動産会社を見つけるためのポイントとして、以下の項目を押さえておきましょう。
ポイント
査定依頼においては、必ず複数の不動産会社に対して行い、慎重に比較検討するようにしましょう。しかし、一度に多くの情報を集めたり、その都度査定の依頼をしたりするのは、手間や効率の面から見てもあまりおすすめできません。
そこで、LIFULL HOME'Sの「不動産売却査定」の利用を検討してみましょう。不動産売却査定では、売りたい物件の種類や所在地、売却の事情などに合わせて、簡単に適した不動産会社を絞り込むことができます。
また、一度の入力で複数の会社に査定依頼ができるため、余計な手間もかかりません。各不動産会社の情報も細部にわたって掲載されているので、手軽に必要なデータを集めることも可能です。
不動産会社選びにおいては、「マンションの売却実績が豊富」であるところを選ぶことが大切となります。不動産会社には、それぞれ「都市部の一戸建て売買に強い」「郊外のマンション売買に強い」といった特徴があります。
特にマンションは、管理状況などのチェックが必要となるため、一戸建てとは異なるノウハウが必要です。そのため、普段からマンションの販売をしている不動産会社のほうが、安心して売却活動を任せられるのです。
また、同じマンションでも単身者用のコンパクトマンションとファミリー向けの広いマンションとでは、販売戦略に違いが生まれます。そうした点も踏まえて、適したタイプの会社を見極めるようにしましょう。
不動産会社との媒介契約には、大きく分けて3つの種類があります。以下の表をもとに、特徴を正しく把握して、適した契約形態を選ぶことが大切です。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数の不動産会社との同時契約 | 可 | 不可 | 不可 |
自分で見つけた相手との取引 | 可 | 可 | 不可 |
契約の有効期間 | 指定なし | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
レインズへの登録義務 | なし | あり | あり |
売却活動の報告義務 | なし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
一般媒介契約は自由度の高さがメリットである半面、不動産会社のサポートは手薄になってしまうこともあります。一方、専属専任媒介契約は自由度が制限されてしまう分、積極的なサポートをしてもらえることが多いです。
そのため、築年数や立地などの面から、自分で買い手を見つけるのが難しいと判断した場合には、専属専任媒介契約のほうが適しているといえます。売りたいマンションの実情に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
内見は買い手にその物件の魅力を伝えられる大切な機会です。ここでは、内見において押さえておくべきポイントを見ていきましょう。
内見においては、買い手にできるだけ分かりやすい形で物件の特徴を知ってもらう必要があります。購入時のパンフレットや、修繕履歴などが記載された資料があれば、買い手にも安心感を与えることができるのです。
また、内見に合わせて不要なものを処理したり、こまめに掃除をしたりすることも大切となります。必要に応じて、ハウスクリーニングを専門家へ依頼することも検討しましょう。
内見において、特に買い手の印象を左右するのは、「玄関」「水回り」「リビング」の3点です。これらの箇所は、特に力を入れて掃除を済ませ、ニオイの対策も怠らないようにしましょう。
また、場合によっては、クローゼットの内部を確認したいと頼まれることもあります。できるだけ買い手に安心してもらうためにも、きちんと内部を整理して、問題なく確認してもらえるような準備を整えることが大切です。
買い手からすれば、売主の人柄も重要な情報となります。売主の対応や人となりを通じて、物件の使い方や管理の度合いがある程度判断される面もあるのです。
また、スケジュールによっては、先に売主が住み替えを行い、空室の状態で内見をしてもらうケースもあります。そうした場合には、きちんと不動産会社の担当者にも立ち会ってもらうことが大切です。
第三者に入ってもらうことで、客観的なデータなどにも触れられるので、売却活動が円滑に進みやすくなるのです。
マンションの売却において、リフォームは買い手への印象をよくする手段の1つだといえます。しかし、安易にリフォームをすると、かえって金銭的に損をしてしまうこともあるため注意が必要です。
リフォームにかけた費用は、売却価格に上乗せするのが難しい面があります。なぜなら、買い手の心理からすれば、購入の費用を抑えて自分でリフォームをしたほうが、自由度は高いと感じられるためです。
特に築年数が経過している場合、買い手は初めからリノベーションを想定しているケースも少なくありません。そうした人にとっては、リフォーム代金が上乗せされてしまうよりも、初めから低価格で売却されているほうが購買意欲も高まりやすいのです。
そのため、高く売るためのリフォームは、結果的に損をしてしまうケースあります。どうしても内装が気になる場合は、大規模リフォームではなく、ハウスクリーニングや一部のみのリフォームといった方法を検討しましょう。
「ホームインスペクション」とは、住宅の設計や施工に詳しい建築士等の専門家が、建物劣化の状況や欠陥の有無を検査するサービスです。専門家による細かな診断結果が分かり、買い手にも物件の状態を証明できるため、売却を有利にしてくれることも少なくありません。
実際のところ、LIFULL HOME’Sの調査では、ホームインスペクションを行った売主の半数以上が査定価格よりも高い値段で売却できたと回答しています。インスペクション自体は5万円前後のコストで依頼でき、確かな費用対効果が期待できるのです。
売却相談する不動産会社を探す
当サービスは、ご本人またはご家族が所有するマンションの売却を希望する、個人のお客様向けサービスです
※査定依頼物件が、依頼者の所有物件ではないと弊社が判断した際、依頼内容を削除する場合があることをあらかじめご了承ください